第4回 可算・不可算が紛らわしい単語「content」と「contents」
このコラムでは、英語論文の執筆にあたって日本人の学生さんが間違いやすい冠詞と単語の使い方をご紹介します。
◆今回は「content」と「contents」という単語に注目してみましょう。
「content」といえば、「コンテンツビジネス」のように最近では日本語としても使われるようになってきましたが、一体どんな意味なのでしょうか?
まず最初に、単数形の「content」の意味をご紹介します。
① 映画やテレビ番組、記事、スピーチ、コース、ゲームなどの中身・内容
この場合は映画などの内容をひとつの固まりとして捉えているので、不可算名詞で単数形になります。
例文:It is a great game visually, but it lacks content.
(見た目はすごいゲームだけど、中身がない)
例文:This film contains adult content.
(この映画は成人向けの内容を含みます)
② ウェブサイトのコンテンツ
ウェブサイトに含まれている情報(information)という意味で、不可算名詞で単数形になります。
例文:John created high-quality content for my website.
(ジョンは私のウェブサイトのためにクオリティの高いコンテンツを作った)
※日本語では「コンテンツ」といいますが、英語では単数形の「content」なので注意しましょう(「s」はつけない)。
③ 食品や飲料などに含まれる物質の含有量・濃度
「alcohol content」(アルコール度数)や「salt content」(塩分)、「water content」(水分)、「fat content」(脂肪分)という形をとる不可算名詞で単数形です。
ただし、下の例文のように形容詞で修飾する場合は可算名詞になり、不定冠詞の「a」がつきます。
例文:Nuts have a high fat content.
(種実類は脂肪分を多く含む)
例文:Try to eat foods with a low salt content.
(塩分の少ない食品を摂取するようにする)
では次に、複数形の「contents」の意味をご紹介します。
① 箱や瓶、カバン、ポケットなどの中身
カバン等の中に入っているペンや財布といった具体的な物すべてをひっくるめて「contents」といいます。
例:Sara emptied out the contents of her bag on the desk.
(サラはカバンの中身すべてを机の上に出した)
また、家や部屋の中にある物すべてを指すときも複数形の「contents」です。
例:The leaflet describes the contents of the art gallery.
(そのリーフレットはアートギャラリーの所蔵品について説明している)
なお、テレビや冷蔵庫など家の中にある物に付帯する「家財保険」を英語では「contents insurance」と呼びます。
② 手紙や本、レポートに含まれるさまざまな内容・項目(chapterやsection)
例文: John was asked to keep the contents of the letter confidential.
(ジョンは手紙の内容を秘密にしておくように頼まれた)
例文:Word has a feature that automatically creates a table of contents.
(Wordには、自動的に目次を作成する機能がある)
上の例文のように本や論文などの「目次」は「table of contents」、または単純に「contents」と言うこともできます。英語の教材などで目次のところに「Contents」と書かれているのを見たことがある人もいると思います。