第5回 可算・不可算が紛らわしい単語「work」
このコラムでは、英語論文の執筆にあたって日本人の学生さんが間違えやすい冠詞と単語の使い方をご紹介します。
◆今回は「work」という単語に注目してみましょう。
①「work」といえば「仕事」という意味で使うことが多いと思いますが、その場合の「work」は不可算扱いなので常に単数形です(=「不特定」の仕事について話す場合は無冠詞、「特定」の仕事について話す場合は「the」がつきます)。
例:What time do you start work?(何時に仕事を始めますか)
例:I have to wear smart clothes for work.(仕事にはきちんとした服を着なければならない)
例:John has been out of work for one year. (ジョンは1年間無職である)
例:I am trying to find work in banking.(私は銀行業の仕事を探している)
→「find work」=「get a job」ですが、「仕事」という意味で用いる場合の「work」は不可算名詞なので不定冠詞の「a」は不要ですが、「job」は可算名詞なので「a」が必要です。
②「work」は「職場」という意味でも使うことができ、この場合も不可算扱いです。
例:John didn't come to work yesterday. (ジョンは昨日職場に来なかった)
例:I'm going out with some friends from work tonight. (今日の夜は職場の友達と出かける)
例:I go to work by bus. (私はバスで職場に行く)
例:Sara is at work now. (サラは今、職場にいる)
※「workplace」も同じく「職場」を意味しますが、こちらは可算名詞です。通常、「the」と一緒に用いて「the workplace」といいますのでそのまま覚えておきましょう。例:discrimination in the workplace(職場での差別)
③ 仕事で必要な「資料」も「work」といい、同じく不可算扱いです。
例:John brought some work home with him. (ジョンは家に仕事の資料を持って帰ってきた)
④ さらに「work」は絵や本、曲などの「作品」を意味することができ、この場合は可算名詞としても不可算名詞としても使うことができます。
例:I like this painter's work. (私はこの画家の作品が好きだ)
→この文では、ひとつの特定の作品ではなく、この画家の作品全般が好きだというニュアンスにするため、不可算扱いです。
例:The collected works of Shakespeare are now available. (シェイクスピアの作品集を発売中です)
→シェイクスピアの複数の作品を集めたものというニュアンスのため、可算扱いです。